株式会社野口商会

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閑話:カタログ表紙の話

来年の総合カタログの表紙作成が終わったので
備忘録的に「どんなことに気を付けて作成しているのか?」と
表紙についてよく頂くご質問をまとめてみました。

弊社総合カタログ表紙撮影に関して留意していること


①安全に配慮した環境で撮られた写真であること

交通法規を違反していないのはもちろん、逆走に見えないことなど、誤解を受けないことも配慮しています。

②他人の所有、侵入禁域に配慮した写真であること
神社境内などの禁域に入っていないこと。入ってる事が疑われる写真を使わない事。
里山のトレイルなど、場所の共有が難しい個所では撮影しない。
個人宅、クルマ、などあからさまに個人特定できるものが背景として以上に写っていないこと。
→最近は有名建築物、鉄道車両などもあからさまな商用利用には許可が必要だったりするので借景の度合いを考えなければ
 ならないところです。

▼そんなこともあり、2022年の画像は白馬岩岳マウンテンリゾート様に正式の許可を頂いています。


③許可を得た人以外の人物が写っていないこと
この辺もめると非常にメンドイので、モデルさんなど契約を結ばない限りは人物は出さないようにしています。

④公道走行を想起させるシーンで撮影する場合は保安器具が装着されていること
ベル、リアリフレクターorテールライト、ライトが装着されている事。

⑤撮影対象の自転車に整備不良が無いこと
ワイヤーのエンドにエンドキャップが付いている、バーテープがきちんと巻かれている、チェーン長が適切である、
ワイヤーの取り回しに無理が無い、製品の仕様から外れた使い方をしない(その中での組み合わせは自由ですが)、
ハンドル端のエンドキャップが装着されている、など。

⑥フレーム、部品の表面が汚れていないこと
MTBやシクロ、グラベルなどで臨場感を出す場合は別ですが、あきらかな整備サボりはNGです。
表面キズや塗装ハゲは使い込んだ自転車だと難しいのですが極力がんばっています。

⑦弊社取り扱い品がバッチリ写ってる、競合する他社製品は写っていない
これは会社のカタログ表紙としては非常に大事。出来れば現行品、最新の製品が写せると嬉しい。

▼扱いが無いモノを使用してる場合は極力見えない画角を狙います(何が写ってるんだ)


⑧極端に季節を感じさせない風景であること
発刊される3月という事だけを考えれば桜吹雪の写真とか華やかで使いたい所なのですが総合カタログは
通年で使うものなので、雪景色とか紅葉など季節を強く想起する画像は使わない様にしていました。

▼そういう意味で夜景は季節感を考えなくて良く一番楽だったのでシリーズ化して
「夜景が表紙のあの会社」
とか言われるまで続けようと思ってたのですがマンネリ化するのが見えたのでやめました。


弊社総合カタログ表紙に関してお客様から頂くよくあるご質問


「Q1:写っている自転車はどこの自転車ですか?」
A1:
完成車取り扱いがあれば毎回旬の試乗車を載せるところですが、野口商会は部品専門卸なので中の人の私物自転車で回してました。
近年は中の人の手作り自転車なんかも使って撮影してます。

◆中の人が表紙制作を担当した年/自転車/撮影場所一覧
2019年:TURNER CYCLOSYSとリンプロさん忘年会参加者の皆さんの自転車、大島にて撮影
2020年:WORKSHOP MONKY B4Cross 増加試作検証機、奈良にて撮影
2021年:WORKSHOP MONKY 98 26plus改、実家のご近所で撮影
2022年:猫と星 スネグーラチカ (雪のお姫様号) 自作自転車 26インチFATBIKE/29PLUSコンパチMTB、白馬岩岳マウンテンリゾートにて撮影
2023年:猫と星 ソニャシュニク(ひまわり号) 自作自転車 700cグラベル対応ツアラー、佃大橋にて撮影
2024年:120周年記念のため表紙画像無し(グラフィックはカタログ製作会社C3様作成) 
2025年:ARAYA MICRO SWALLOW  アラヤさんの素敵小径自転車、千葉の土気にて撮影

▼自転車を毎年作るのはしんどいしネタも続かないので、
最新号は弊社お取引先でもあるARAYAさんのMICRO SWALLOWを手に入れて撮影。
吊るしでRD-M310など弊社扱い主力パーツ満載のスペックだったのでホントにありがたかった…感謝しかないです。



「Q2:撮影場所はどこですか?」

A2:
上記の表紙一覧に記載した通りとなります。
野口商会は日常生活向け自転車のパーツを多く扱い、提案している会社なので最近は
「ご近所さんがちょっと足を延ばしたら行けそうな場所」
「どこにでもありそうだけど自転車の速度でないと気が付かない様な良い雰囲気の場所」
そんな「身近にある面白い風景」を選びがちです。

▼今年用に用意したけど2025と同じ「壁が主題」になるのでボツになった画像(撮影地:千葉北総)
「身近にある面白い風景」としてはばっちりだと思っていたのですが…残念。


最近はロケハンにGoogleさんの地図&ストリートビューを活用してグリグリと行うのですが、
だいたい予想通りにならないです。
なので1回の撮影で候補地を5~10か所ぐらい押さえてから行きます。

それでも現地行くと上記の条件を満たさない事も多々あるので
「現実最高!撮影旅はこうじゃなきゃ面白くないよな!(ヤケクソ)」
とか言いながらグルグル回って撮影して、ようやく場所決めても
「日の方向が変わって影が…ビルの灯りが消えた(深夜になると消える)…嗚呼…」→再撮影
というケースが多くロケハン1回、撮影1回というのが多いです。
一回の撮影ライドでキッチリ成果をあげるプロカメラマンってすごいんだなと思います。
色々ありますが、実際に行ってウムムと考えながら撮影するのは本当に面白いです。

「Q3:撮影機材はなんですか?」
A3:
あまり機材はこだわって無いです。2025,2022はスマートフォンで撮影しました。
スマートフォンのおかげで「今だ!」という時に(画質はともかく)カタログ表紙にできるデータサイズの撮影ができるのはありがたいです。
2023年版は最初から「きれいな夜景にしよう」と思っていたので、一眼レフと三脚を用意して撮影しました。

「Q4:なんでそんなに頑張るの?」

A4:
ネットとSNSが全盛とはいえ、いまだに最もお客様に触れる機会の多い「看板」だからでしょうか?

とかいうとカッコいいのですが

最初は扱いの無い商品がバーンと写ってる画像使うと、
それが弊社お取引メーカー様のライバル商品だった場合非常に申し訳ない(気まずい)
商品の問い合わせがきて営業に負荷がかかるので避けたい。
みたいな理由で「じゃあ自前で撮るか…」みたいな感じだった気がします。

何にしても一回頑張ると引けなくなるのがしんどい所です。


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